平成23年度初春公演 [文楽]
例年、文楽初春公演は、年が明けた1月3日から始まります。
去年は行くことができませんでしたので、今年こそ!というつもりで国立文楽劇場に出かけました。
午前10時過ぎに文楽劇場に到着しました。すでに鏡開きが催される正面入口付近のエリアは人だかりの輪ができていました。
「竹本住太夫挨拶」
新年の挨拶をされているのは、人間国宝の竹本住太夫さんです。
太夫といって、浄瑠璃を語る人です。おなかから声を出す修行をされている人は、年を取られてもとても元気です。
住太夫さんの後ろの4人は、左から
吉田文雀(人形遣い)
吉田蓑助(人形遣い)
鶴澤寛治(三味線)
竹本綱大夫(太夫)
みなさん人間国宝です。住太夫さんに続いて4人が挨拶をされましたが、女形の人形遣いである蓑助さんは前に病気をされたせいか手短な挨拶でした。
たくさんの升が積まれてますなー(^-^)。
「三番叟登場」
振舞い酒は、三番叟の手からされることになっているんです。
右から3番目の人形の後ろに写っている人が寿式三番叟でも演じる人形遣いの吉田幸助さんです。その左が吉田玉志さんでしょうか?
「振舞い酒」
ほんとは自分も飲んでみたかったんやけどなあ・・・。
第一部は午前11時開演です。
「寿式三番叟」(ことぶきしきさんばそう)
景事と言われ、めでたい時に催される演目です。
寿式三番叟は、能の「翁」を義太夫に移したものです。
最初に翁と千歳のニ人が登場します。そのあと三番叟が二人登場します。イヤホンガイドによると、三番叟は三番目の人という意味です。
最初に舞うのは翁と千歳で、厳粛な舞です。
そのあと三番叟が踊ります。三味線がゆっくり弾いたりテンポを変えて早く演奏したりします。それに合わせて三番叟が踊ります。三番叟の踊りは派手でコミカルです。着ている衣装も派手でした。
「傾城反魂香」(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の段
庶民に愛される大津絵の絵師浮世又平は、師匠土佐将監(とさのしょうげん)に免許皆伝のしるし土佐の名字を名乗ることが念願でした。
*大津絵 大津市で江戸時代初期から名産とされてきた民族絵画で、さまざまな画題を扱っているのが特長。
それを弟弟子修理之介に先を越されたのは、自分の言葉が不自由なことに原因があるのではないかと悩むのでした。
絶望のあまり死を覚悟した又兵は、一念をこめて自画像を手水鉢に描いたところ奇跡が起こりました。なんと、手水鉢の裏側に自画像が透きとおって写しだされたのです。
これにより、又兵は師匠から土佐の名字を名乗ることを許されたのです。
切り場は、竹本住太夫さんとコンビの野沢錦糸(三味線)でした。
「染模様妹背門松」(そめもよういもせのかどまつ)
油屋太郎兵衛(あぶらやたろべえ)・おかつ夫婦の息子多三郎は芸妓のおいとにのめり込んでいました。娘お染は丁稚の久松と人目を忍ぶ仲でしたが、山家屋清兵衛(やまがやせいべえ)という大店の跡取りとの結婚が決まっていました。
油店の段
多三郎を罠に掛けた質屋をしている大坂屋源右衛門(おおさかやげんえもん)が油屋に乗り込んできます。源右衛門を手引をしたのは、お染に横恋慕をしている番頭善六でしたが、そこに居合わせた山家屋清兵衛の機転により難を逃れることができたのです。
山家屋清兵衛にやりこめられて窮地にたった源右衛門と善六との言葉の掛け合いは、チャリ場という滑稽な場面で面白おかしく観ることができました(^-^)。
山家屋清兵衛の人形は、吉田玉也さんが遣われてました。主遣い(おもつかい)と言って頭巾をかぶらず、顔を出して演じています。吉田玉也さんは、身長が高いから様になってました。
蔵前の段より油屋の段の方がメインの演目になっている感じでした。
蔵前の段
久松の父久作が野崎村から出てきます。久松とお染の仲を知り、久松を実家に連れ戻そうとしたのです。
久作は久松を説得することができましたが一度実家に戻り正月明けに迎えに来ることになりました。それまで、久松は油屋の蔵の中に閉じ込められることに。
横領により店を追放された善六が蔵の中の金品を盗むために蔵の鍵を開けたため、久松は蔵の中から外へ出ることができ、お染と久松はそこから逃げ出しました。
演目はこれで終わりですが、この先は?
すでにお染は久松の子供を身ごもっていました。未来に絶望した久松とお染は心中することになります。
文楽はいいなあ
去年は文楽を観に行くことがほとんどなかったように思います。
初春公演を見たからなのかもしれませんが、文楽を観ることも自分の(趣味の)一つなんだなあとしみじみ思いました。
たとえ機会が少なくなろうとも、その時に十分楽しめばいいのだと思います。たぶん。
この辺で、幕とさせていただきます!
去年は行くことができませんでしたので、今年こそ!というつもりで国立文楽劇場に出かけました。
午前10時過ぎに文楽劇場に到着しました。すでに鏡開きが催される正面入口付近のエリアは人だかりの輪ができていました。
「竹本住太夫挨拶」
新年の挨拶をされているのは、人間国宝の竹本住太夫さんです。
太夫といって、浄瑠璃を語る人です。おなかから声を出す修行をされている人は、年を取られてもとても元気です。
住太夫さんの後ろの4人は、左から
吉田文雀(人形遣い)
吉田蓑助(人形遣い)
鶴澤寛治(三味線)
竹本綱大夫(太夫)
みなさん人間国宝です。住太夫さんに続いて4人が挨拶をされましたが、女形の人形遣いである蓑助さんは前に病気をされたせいか手短な挨拶でした。
たくさんの升が積まれてますなー(^-^)。
「三番叟登場」
振舞い酒は、三番叟の手からされることになっているんです。
右から3番目の人形の後ろに写っている人が寿式三番叟でも演じる人形遣いの吉田幸助さんです。その左が吉田玉志さんでしょうか?
「振舞い酒」
ほんとは自分も飲んでみたかったんやけどなあ・・・。
第一部は午前11時開演です。
「寿式三番叟」(ことぶきしきさんばそう)
景事と言われ、めでたい時に催される演目です。
寿式三番叟は、能の「翁」を義太夫に移したものです。
最初に翁と千歳のニ人が登場します。そのあと三番叟が二人登場します。イヤホンガイドによると、三番叟は三番目の人という意味です。
最初に舞うのは翁と千歳で、厳粛な舞です。
そのあと三番叟が踊ります。三味線がゆっくり弾いたりテンポを変えて早く演奏したりします。それに合わせて三番叟が踊ります。三番叟の踊りは派手でコミカルです。着ている衣装も派手でした。
「傾城反魂香」(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の段
庶民に愛される大津絵の絵師浮世又平は、師匠土佐将監(とさのしょうげん)に免許皆伝のしるし土佐の名字を名乗ることが念願でした。
*大津絵 大津市で江戸時代初期から名産とされてきた民族絵画で、さまざまな画題を扱っているのが特長。
それを弟弟子修理之介に先を越されたのは、自分の言葉が不自由なことに原因があるのではないかと悩むのでした。
絶望のあまり死を覚悟した又兵は、一念をこめて自画像を手水鉢に描いたところ奇跡が起こりました。なんと、手水鉢の裏側に自画像が透きとおって写しだされたのです。
これにより、又兵は師匠から土佐の名字を名乗ることを許されたのです。
切り場は、竹本住太夫さんとコンビの野沢錦糸(三味線)でした。
「染模様妹背門松」(そめもよういもせのかどまつ)
油屋太郎兵衛(あぶらやたろべえ)・おかつ夫婦の息子多三郎は芸妓のおいとにのめり込んでいました。娘お染は丁稚の久松と人目を忍ぶ仲でしたが、山家屋清兵衛(やまがやせいべえ)という大店の跡取りとの結婚が決まっていました。
油店の段
多三郎を罠に掛けた質屋をしている大坂屋源右衛門(おおさかやげんえもん)が油屋に乗り込んできます。源右衛門を手引をしたのは、お染に横恋慕をしている番頭善六でしたが、そこに居合わせた山家屋清兵衛の機転により難を逃れることができたのです。
山家屋清兵衛にやりこめられて窮地にたった源右衛門と善六との言葉の掛け合いは、チャリ場という滑稽な場面で面白おかしく観ることができました(^-^)。
山家屋清兵衛の人形は、吉田玉也さんが遣われてました。主遣い(おもつかい)と言って頭巾をかぶらず、顔を出して演じています。吉田玉也さんは、身長が高いから様になってました。
蔵前の段より油屋の段の方がメインの演目になっている感じでした。
蔵前の段
久松の父久作が野崎村から出てきます。久松とお染の仲を知り、久松を実家に連れ戻そうとしたのです。
久作は久松を説得することができましたが一度実家に戻り正月明けに迎えに来ることになりました。それまで、久松は油屋の蔵の中に閉じ込められることに。
横領により店を追放された善六が蔵の中の金品を盗むために蔵の鍵を開けたため、久松は蔵の中から外へ出ることができ、お染と久松はそこから逃げ出しました。
演目はこれで終わりですが、この先は?
すでにお染は久松の子供を身ごもっていました。未来に絶望した久松とお染は心中することになります。
文楽はいいなあ
去年は文楽を観に行くことがほとんどなかったように思います。
初春公演を見たからなのかもしれませんが、文楽を観ることも自分の(趣味の)一つなんだなあとしみじみ思いました。
たとえ機会が少なくなろうとも、その時に十分楽しめばいいのだと思います。たぶん。
この辺で、幕とさせていただきます!
竿とバックの同時攻めなんて反則だ~!!
耐えられるわけないじゃん!!!
・・・でも、これハマるかもなぁww
http://pnr21kt.gim.uerock.net/
by カドルト (2011-01-16 23:27)
久々の文楽記事ですね!
ところで、初めて知りましたが・・・
女形の人形遣いであるということは、専門職としてあるんですね?
それにしても、詳しい解説をありがとうございます。
これだけ理解の上なら、ご覧になってても楽しいでしょうね~(*^^)v
by collet (2011-01-17 14:50)
>colletさん
うーん。
テレビや映画で例えますと、文楽は語り手である太夫と三味線、人形を操る人形遣いで成り立っています。
正面の舞台に出るのは人形だけです・・・。
あっ、それと人形を操る人ですかねー(^-^)。
過去記事にも書いたんですが、人形は3人で遣うんです。
1人では遣えない。ふつうは。。。
3人のうちの中心が主遣い(おもづかい)です。そして主演級の人形の主遣いだけが頭巾をかぶらずに演じることができるんですね。
長々となりましたが(^^ゞ、女形という以上、反対に男形?というのはあまり表現しないと思うんですけど、人形遣いでも男の人形ばかり、女の人形ばかり遣うんだと思うんです。やはりそれに専念しないと、なかなか芸を極めることができないというか・・・・。自分が言うことではないんですけど(^^ゞ。
自分を含めて素人が遣う人形はでくのぼうですが、プロが遣うと、人形が生きているような錯覚に陥るというか夢中に入っていけるんですよー。
なので、人間国宝の吉田蓑助が遣う女形の人形は、ほんとの女以上に色気があると言われていますけどー。
すいません・・・。
すいませんというのは、文楽を知っている人にはわかりますということでねっ(^^ゞ。
自分は、文楽に興味を持った頃、広谷鏡子さんの「恋する文楽」という本を当時の職場の近くの図書館で読んで感動したことがあります!広谷さんは、ある作品で芥川賞候補になられた人で文楽のおっかけをされているような・・・?
最近ご無沙汰している自分がいうのはお恥ずかしいですが、数年前に感じたことは、文楽の発祥地である大阪より東京の方が文楽を鑑賞する人の熱が高いということでしょうか・・・・。
参考までに日本橋にある文楽劇場をリンクしておきますね。
まだ日があるから第2部も観るとしますかねえ(^^ゞ。
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
by dolfin (2011-01-17 20:37)
気持ちいいとか言う次元じゃないのよこれ。
なんかもう、全身泡になったっていうか・・・
貴重な体験+ギャラで、ホントイイこと尽くしだったなぁ。
http://d9iqvmq.gim.uerock.net/
by 桃医 (2011-01-19 14:11)
>sumiさん
nice!をいただき、ありがとうございました。
by dolfin (2011-01-22 09:17)
日本の古典芸能・・・という感じでしょうか?
教科書で「文楽」という文字は見たことありますね。
私が古典芸能を見たのは歌舞伎で確か中学の時に
芸能鑑賞で見に行った気がします。演目は「足摺り」
とかいった様な気がしますが・・・・
好きなものは時間があればどんどん見に行かれると
良いですね♪
by oko (2011-01-30 08:40)
>okoさん
おっしゃるとおり、文楽は、古典芸能です。
大阪近郊の高等学校では、教育の一環として文楽鑑賞をしたりするようですよー。
子供の頃からいろんなことを経験するのって大事ですよねー(^-^)。
はいわかりました!できるだけ文楽を観に行くようにしたいと思います。
by dolfin (2011-01-30 11:08)
E+!L$(An, speak.ginzamoonlight.com, 簡単ーーに会えました, http://speak.ginzamoonlight.com/hokkaido/60.html
by 簡単ーーに会えました (2011-04-17 19:51)